私がフェルト草履を、きらうのは、何も自分の蛮風を衒っているわけではない。
フェルト草履は、見た眼にも優雅で、それに劇場や図書館、その他のビルディングにはいる時でも、下駄の時のように下足係の厄介にならずにすむから、私も実は一度はいてみた事があるのであるが、どうも、足の裏が草履の表の茣蓙の上で、つるつる滑っていけない。
頗る不安な焦躁感を覚える。
私がフェルト草履を、きらうのは、何も自分の蛮風を衒っているわけではない。
フェルト草履は、見た眼にも優雅で、それに劇場や図書館、その他のビルディングにはいる時でも、下駄の時のように下足係の厄介にならずにすむから、私も実は一度はいてみた事があるのであるが、どうも、足の裏が草履の表の茣蓙の上で、つるつる滑っていけない。
頗る不安な焦躁感を覚える。