檻の中は一坪ほどのひろさであって、まっくらい奥隅に、丸太でつくられた腰掛がひとつ置かれていた。
くろんぼはそこに坐って、刺繍をしていた。
このような暗闇のなかでどんな刺繍ができるものかと、少年は抜けめのない紳士のように、鼻の両わきへ深い皺をきざみこませ口まげてせせら笑ったものである。
檻の中は一坪ほどのひろさであって、まっくらい奥隅に、丸太でつくられた腰掛がひとつ置かれていた。
くろんぼはそこに坐って、刺繍をしていた。
このような暗闇のなかでどんな刺繍ができるものかと、少年は抜けめのない紳士のように、鼻の両わきへ深い皺をきざみこませ口まげてせせら笑ったものである。