私の疎開していた町から、汽車で三、四時間、或る港町の駅に降りると、小川新太郎君は、りゅうとした背広服姿で、迎えに来ていた。
「君は、こんないい洋服を持っているくせに、僕の家へ来る時には、なぜあんな、よごれた軍服みたいなものを着て来るのかね。
「わざと身をやつして行くのです。
私の疎開していた町から、汽車で三、四時間、或る港町の駅に降りると、小川新太郎君は、りゅうとした背広服姿で、迎えに来ていた。
「君は、こんないい洋服を持っているくせに、僕の家へ来る時には、なぜあんな、よごれた軍服みたいなものを着て来るのかね。
「わざと身をやつして行くのです。