それはもう甲府も、いつかはやられるだろうと覚悟していたが、しかし、久し振りで防空服装を解いて寝て、わずかに安堵するかせぬうちに、またもや身ごしらえして車を引き、妻子を連れて山の中の知らない家の厄介になりに再疎開して行くのは、何とも、どうも、大儀であった。
頑張って見ようじゃないか。
焼夷弾を落しはじめたら、女房は小さい子を背負い、そうして上の女の子はもう五つだし、ひとりでどんどん歩けるのだから、女房はこれの手をひいて三人は、とにかく町はずれの田圃へ逃げる。
それはもう甲府も、いつかはやられるだろうと覚悟していたが、しかし、久し振りで防空服装を解いて寝て、わずかに安堵するかせぬうちに、またもや身ごしらえして車を引き、妻子を連れて山の中の知らない家の厄介になりに再疎開して行くのは、何とも、どうも、大儀であった。
頑張って見ようじゃないか。
焼夷弾を落しはじめたら、女房は小さい子を背負い、そうして上の女の子はもう五つだし、ひとりでどんどん歩けるのだから、女房はこれの手をひいて三人は、とにかく町はずれの田圃へ逃げる。