下の男の子はそれほどでも無かったが、上の女の子は日ましにひどくなるばかりで、その襲来の二、三日前から完全な失明状態にはいった。
眼蓋が腫れて顔つきが変ってしまい、そうしてその眼蓋を手で無理にこじあけて中の眼球を調べて見ると、ほとんど死魚の眼のように糜爛していた。
これはひょっとしたら、単純な結膜炎では無く、悪質の黴菌にでも犯されて、もはや手おくれになってしまっているのではあるまいかとさえ思われ、別の医者にも診察してもらったが、やはり結膜炎という事で、全快までには相当永くかかるが、絶望では無いと言う。