夏目漱石 『行人』 お貞さんが去ると共に冬も去った。 去ったと云うよりも、まず大した事件も起らずに済んだと評する方が適当かも知れない。 斑らな雪、枯枝を揺ぶる風、手水鉢を鎖ざす氷、いずれも例年の面影を規則正しく自分の眼に映した後、消えては去り消えては去った。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア