夏目漱石 『行人』 昼間吹募った西北の風は雨と共にぱったりと落ちたため世間は案外静かになっていた。 ただ時を区切って樋を叩く雨滴の音だけがぽたりぽたりと響いた。 嫂は平生の通り落ちついた態度で、室の中を見廻しながら「なるほど好い御室ね、そうして静だ事」と云った。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア