「だって厭になればどこへでも勝手に飛んで歩けるじゃありませんか」
自分はいつか手を出して火鉢へあたっていた。
その火鉢は幾分か背を高くかつ分厚に拵えたものであったけれども、大きさから云うと、普通の箱火鉢と同じ事なので二人向い合せに手を翳すと、顔と顔との距離があまり近過ぎるくらいの位地にあった。
「だって厭になればどこへでも勝手に飛んで歩けるじゃありませんか」
自分はいつか手を出して火鉢へあたっていた。
その火鉢は幾分か背を高くかつ分厚に拵えたものであったけれども、大きさから云うと、普通の箱火鉢と同じ事なので二人向い合せに手を翳すと、顔と顔との距離があまり近過ぎるくらいの位地にあった。