表慶館で彼は利休の手紙の前へ立って、何々せしめ候……かね、といった風に、解らない字を無理にぽつぽつ読んでいた。
御物の王羲之の書を見た時、彼は「ふうんなるほど」と感心していた。
その書がまた自分には至ってつまらなく見えるので、「大いに人意を強うするに足るものだ」と云ったら、「なぜ」と彼は反問した。
表慶館で彼は利休の手紙の前へ立って、何々せしめ候……かね、といった風に、解らない字を無理にぽつぽつ読んでいた。
御物の王羲之の書を見た時、彼は「ふうんなるほど」と感心していた。
その書がまた自分には至ってつまらなく見えるので、「大いに人意を強うするに足るものだ」と云ったら、「なぜ」と彼は反問した。