そこへ住まうと何か祟があるという昔からの言い伝えで、この間まで空地になっていたのを、この頃になってようやく或る人が買い取って、大きな普請を始めたのである。
父は自分の家が第二の桐畠になるのを恐れでもするように、活々と傍のものに話し掛けた。
平生彼の居馴染んだ室は、奥の二間続きで、何か用があると、母でも兄でも、そこへ呼び出されるのが例になっていたが、その日はいつもと違って、彼は初めから居間へは這入らなかった。
そこへ住まうと何か祟があるという昔からの言い伝えで、この間まで空地になっていたのを、この頃になってようやく或る人が買い取って、大きな普請を始めたのである。
父は自分の家が第二の桐畠になるのを恐れでもするように、活々と傍のものに話し掛けた。
平生彼の居馴染んだ室は、奥の二間続きで、何か用があると、母でも兄でも、そこへ呼び出されるのが例になっていたが、その日はいつもと違って、彼は初めから居間へは這入らなかった。