その短篇には、おれのやうな男に處女がさづかつた歡喜をさへ書きしるされてゐるのであつたが、おれはその箇所をとりあげて、妻をいぢめたのである。
おれはいまに大作家になるのであるから、この小説もこののち百年は世の中にのこるのだ。
するとお前は、この小説とともに百年のちまで嘘つきとして世にうたはれるであらう、と妻をおどかした。
その短篇には、おれのやうな男に處女がさづかつた歡喜をさへ書きしるされてゐるのであつたが、おれはその箇所をとりあげて、妻をいぢめたのである。
おれはいまに大作家になるのであるから、この小説もこののち百年は世の中にのこるのだ。
するとお前は、この小説とともに百年のちまで嘘つきとして世にうたはれるであらう、と妻をおどかした。