太宰治 『陰火』 夜の十一時半ころ、部屋の襖がことことと鳴つた。 風だらうと思つてゐたのだが、しばらくして、またことことと鳴つた。 おや、誰か居るのかなとも思はれ、蒲團から上半身をくねくねはみ出させて腕をのばし襖をあけてみたら、若い尼が立つてゐた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア