前後不覚どころか、まるで発狂気味のように思われる。
実に、不可解!
この笠井健一郎氏という作家は、若い頃、その愛人にかなり見っともない形でそむかれ、その打撃が、それこそ眉間の深い傷になったくらいに強いものだったらしく、それ以来妻帯もせず、酒ばかり飲んで、女をてんで信用せず、もっぱら女を嘲笑するような小説ばかり書いて、それでも、読書界の一部では、笠井氏のそんな十年一日の如き毒舌をひどく痛快がっていますので、笠井氏も調子に乗り、いまでは笠井氏の女に対する悪口は、謂わば彼のお家芸みたいになっているのでした。