東京へ帰って来てからは私はただもう闇屋の使い走りを勤める女になってしまったのですもの。
五、六年東京から離れているうちに私も変りましたけれども、まあ、東京の変りようったら。
夜の八時ごろ、ほろ酔いのブローカーに連れられて、東京駅から日本橋、それから京橋へ出て銀座を歩き新橋まで、その間、ただもうまっくらで、深い森の中を歩いているような気持で人ひとり通らないのはもちろん、路を横切る猫の子一匹も見当りませんでした。
東京へ帰って来てからは私はただもう闇屋の使い走りを勤める女になってしまったのですもの。
五、六年東京から離れているうちに私も変りましたけれども、まあ、東京の変りようったら。
夜の八時ごろ、ほろ酔いのブローカーに連れられて、東京駅から日本橋、それから京橋へ出て銀座を歩き新橋まで、その間、ただもうまっくらで、深い森の中を歩いているような気持で人ひとり通らないのはもちろん、路を横切る猫の子一匹も見当りませんでした。