一日も早くあの人を殺してあげなければならぬと、私は、いよいよ此のつらい決心を固めるだけでありました。
群集は、刻一刻とその数を増し、あの人の通る道々に、赤、青、黄、色とりどりの彼等の着物をほうり投げ、あるいは棕櫚の枝を伐って、その行く道に敷きつめてあげて、歓呼にどよめき迎えるのでした。
かつ前にゆき、あとに従い、右から、左から、まつわりつくようにして果ては大浪の如く、驢馬とあの人をゆさぶり、ゆさぶり、「ダビデの子にホサナ、讃むべきかな、主の御名によりて来る者、いと高き処にて、ホサナ」と熱狂して口々に歌うのでした。