おそろしく復讐心の強い男のようにさえ見えます。
自分自身を悪い男だ、駄目な男だと言いながら、その位置を変える事には少しも努力せず、あわよくばその儘でいたい、けれどもその虫のよい考えがあまり目立っても具合いが悪いので、仮病の如くやたらに顔をしかめて苦痛の表情よろしく、行きづまった、ぎりぎりに困惑した等と呻いているだけの事で、内心どこかで、だけど俺は偉いんだ、俺の作品は残るのだと小声で囁いて赤い舌を出しているというのが、君の手紙の全体から受けた印象であります。
君自身の肉体の疲労やら、精神の弛緩、情熱の喪失を、ひたすら時代のせいにして、君の怠惰を巧みに理窟附けて、人の同情を得ようとしている。