まっすぐに、食堂の壁を見ながら言っているのであるが、その眼は薄く涙ぐんでいた。
私は、その様を見て何だか、ものを言うのが再び、いやになった。
熊本君は、ちゃんと私たちと向い合って坐っていて、いましがた死力を尽して奪い返したデリケエトのナイフが、損傷していないかどうか、たんねんに調べ、無事である事を見とどけてから、ハンケチに包んで右の袂の中にしまい込み、やっと、ほっとしたような顔になり、私たち二人を改めてきょろきょろ見比べ、
まっすぐに、食堂の壁を見ながら言っているのであるが、その眼は薄く涙ぐんでいた。
私は、その様を見て何だか、ものを言うのが再び、いやになった。
熊本君は、ちゃんと私たちと向い合って坐っていて、いましがた死力を尽して奪い返したデリケエトのナイフが、損傷していないかどうか、たんねんに調べ、無事である事を見とどけてから、ハンケチに包んで右の袂の中にしまい込み、やっと、ほっとしたような顔になり、私たち二人を改めてきょろきょろ見比べ、