太宰治 『古典風』 汗でぐしょぐしょになるほど握りしめていた掌中のナイフを、力一ぱいマットに投げ捨て、脱兎の如く部屋から飛び出た。 尾上てるは、含羞むような笑顔と、しなやかな四肢とを持った気性のつよい娘であった。 浅草の或る町の三味線職の長女として生れた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア