それでかれは、岩穴の出口のところに大きい頭を置いておきまして、深くものを思うておりますると、ヤマメがちょいとその岩の下に寄って来る、と突如ぱくりと大きな口をあけてそれを食べる、遠くまで追いかけて行くという事はからだが重くてとても出来ない、そのかわり自分の頭のすぐそばに来たなら決して逃がさずぱくりと食べる、それは非常に素早いものだそうであります。
昼はたいてい岩の下などにもぐっているのですが、夜はのそのそ散歩に出かける。
そうしてずいぶん遠く下流にまでやって来る様子で、たいへん大きな河の河口で網を打っていたら、その網の中にはいっていたなどの話もあるようでございます。