そういう時に、電車の中やなにかで、ふと眼を上げて向う側を見ると、いかにも苦のなさそうな顔に出っ食わす事がある。
自分の眼が、ひとたびその邪念の萌さないぽかんとした顔に注ぐ瞬間に、僕はしみじみ嬉しいという刺戟を総身に受ける。
僕の心は旱魃に枯れかかった稲の穂が膏雨を得たように蘇える。
そういう時に、電車の中やなにかで、ふと眼を上げて向う側を見ると、いかにも苦のなさそうな顔に出っ食わす事がある。
自分の眼が、ひとたびその邪念の萌さないぽかんとした顔に注ぐ瞬間に、僕はしみじみ嬉しいという刺戟を総身に受ける。
僕の心は旱魃に枯れかかった稲の穂が膏雨を得たように蘇える。