ついでだから申しますが、兄さんの頭はその時分から少しほかの人とは変っていました。
兄さんは浮々と散歩をしていて、ふと自分が今歩いていたなという事実に気がつくと、さあそれが解すべからざる問題になって、考えずにはいられなくなるのでした。
歩こうと思えば歩くのが自分に違ないが、その歩こうと思う心と、歩く力とは、はたしてどこから不意に湧いて出るか、それが兄さんには大いなる疑問になるのでした。
ついでだから申しますが、兄さんの頭はその時分から少しほかの人とは変っていました。
兄さんは浮々と散歩をしていて、ふと自分が今歩いていたなという事実に気がつくと、さあそれが解すべからざる問題になって、考えずにはいられなくなるのでした。
歩こうと思えば歩くのが自分に違ないが、その歩こうと思う心と、歩く力とは、はたしてどこから不意に湧いて出るか、それが兄さんには大いなる疑問になるのでした。