むかしの同僚、高橋安二郎君が、このごろ病気がいけなくなり、太宰氏、ほか三人の中堅、新進の作家へ、本社編輯部の名をいつわり、とんでもない御手紙さしあげて居ることが最近、判明いたしました。
高橋君は、たしか三十歳。
おととしの秋、社員全部のピクニックの日、ふだん好きな酒も呑まず、青い顔をして居りましたが、すすきの穂を口にくわえて、同僚の面前にのっそり立ちふさがり薄目つかって相手の顔から、胸、胸から脚、脚から靴、なめまわすように見あげ、見おろす。
むかしの同僚、高橋安二郎君が、このごろ病気がいけなくなり、太宰氏、ほか三人の中堅、新進の作家へ、本社編輯部の名をいつわり、とんでもない御手紙さしあげて居ることが最近、判明いたしました。
高橋君は、たしか三十歳。
おととしの秋、社員全部のピクニックの日、ふだん好きな酒も呑まず、青い顔をして居りましたが、すすきの穂を口にくわえて、同僚の面前にのっそり立ちふさがり薄目つかって相手の顔から、胸、胸から脚、脚から靴、なめまわすように見あげ、見おろす。