私、二十一歳の冬に角帯しめて銀座へ遊びにいって、その晩、女が私の部屋までついて来て、あなたの名まえなんていうの?
と聞くから、ちょうど、そこに海野三千雄、ね、あの人の創作集がころがっていて、私は、海野三千雄、と答えてしまった。
女は、私を三十一、二歳と思っているらしく、もすこし有名の人かと思った、とほっと肩を落して溜息をついて、私は、あのときぐらい有名になりたく思ったことございませぬ。
私、二十一歳の冬に角帯しめて銀座へ遊びにいって、その晩、女が私の部屋までついて来て、あなたの名まえなんていうの?
と聞くから、ちょうど、そこに海野三千雄、ね、あの人の創作集がころがっていて、私は、海野三千雄、と答えてしまった。
女は、私を三十一、二歳と思っているらしく、もすこし有名の人かと思った、とほっと肩を落して溜息をついて、私は、あのときぐらい有名になりたく思ったことございませぬ。