自分勝手なことで大へんはずかしく思いますがおゆるしください。
御記憶がうすくなって居られると考えますが、二月頃、新宿のモナミで同人雑誌『青い鞭』のことでおめにかかり、そしてその時のわかれ方が非常に本意なく思われて、いつもすまなく感じていて、自分ひとりでわるびれた気持になっています。
いつかお詫びの手紙を出そうと念じながらも、ひとりぎめの間のわるさの為に、出しそびれて、何かのきっかけをと思い、あなたの『晩年』とかいうのが出たら、そのときのことにしようと最近心にきめていましたところ、今日、本屋であなたの一文を拝見して、無しょうにかなしくなり、話しかけたくなりました。