東京を立つ前に、取りつけの外国雑誌の封を切って、ちょっと眼を通したら、そのうちにこの詩人の逸話があったのを、面白いと思って覚えていたので、私はついそれを挙げて、兄さんの反省を促して見たくなったのです。
このマラルメと云う人にも多くの若い崇拝者がありました。
その人達はよく彼の家に集まって、彼の談話に耳を傾ける宵を更したのですが、いかに多くの人が押しかけても、彼の坐るべき場所は必ず暖炉の傍で、彼の腰をおろすのは必ず一箇の揺椅ときまっていました。
東京を立つ前に、取りつけの外国雑誌の封を切って、ちょっと眼を通したら、そのうちにこの詩人の逸話があったのを、面白いと思って覚えていたので、私はついそれを挙げて、兄さんの反省を促して見たくなったのです。
このマラルメと云う人にも多くの若い崇拝者がありました。
その人達はよく彼の家に集まって、彼の談話に耳を傾ける宵を更したのですが、いかに多くの人が押しかけても、彼の坐るべき場所は必ず暖炉の傍で、彼の腰をおろすのは必ず一箇の揺椅ときまっていました。