としは私より二つ三つ多い筈だが、額がせまく漆黒の美髪には、いつもポマードがこってりと塗られ、新しい形の縁無し眼鏡をかけ、おまけに頬は桜色と来ているので、かえって私より四つ五つ年下のようにも見えた。
痩型で、小柄な人であったが、その服装には、それこそいちぶのスキも無い、と言っても過言では無いくらいのもので、雨の日には必ずオーバーシュウズというものを靴の上にかぶせてはいて歩いていた。
なかなか笑わないひとで、その点はちょっと私には気づまりであったが、新宿のスタンドバアで知り合いになり、それから時々、彼はお酒を持参で私の家へ遊びに来て、だんだん互いにいい飲み相手を見つけたという形になってしまったのである。