マツ子から五枚の原稿用紙を受けとり、一枚に平均、三十箇くらいずつの誤字や仮名ちがいを、腹を立てずに、ていねいに直して行きながら、私は、たった五枚か、とげっそりしていた。
むかし、江戸番町にお皿の数をかぞえるお菊という幽霊があった。
なんどかぞえてもかぞえても、お皿の数が一枚だけ、たった一枚だけ、たりないのである。
マツ子から五枚の原稿用紙を受けとり、一枚に平均、三十箇くらいずつの誤字や仮名ちがいを、腹を立てずに、ていねいに直して行きながら、私は、たった五枚か、とげっそりしていた。
むかし、江戸番町にお皿の数をかぞえるお菊という幽霊があった。
なんどかぞえてもかぞえても、お皿の数が一枚だけ、たった一枚だけ、たりないのである。