兄さんは時々普通の人に解らないような事を出し抜けに云います。
それが知らないものの耳や、教育の乏しい男の耳には、どこかに破目の入った鐘の音として、変に響くでしょうけれども、よく兄さんを心得た私には、かえって習慣的な言説よりはありがたかったのです。
私は平生からそこに兄さんの特色を認めていました。
兄さんは時々普通の人に解らないような事を出し抜けに云います。
それが知らないものの耳や、教育の乏しい男の耳には、どこかに破目の入った鐘の音として、変に響くでしょうけれども、よく兄さんを心得た私には、かえって習慣的な言説よりはありがたかったのです。
私は平生からそこに兄さんの特色を認めていました。