私一個人にとっては、ひどくもの珍しい日記ではあっても、世の読書人には、ああ、あれか、と軽く一首肯を以てあしらわれる普遍の書物であるのかも知れない。
そこは、馬鹿の一つ覚えでおくめんも無く押し切って、世の中に我のみ知るという顔で、これから、仔細らしく物語ろうというわけである。
大正四年、葛原の手に依って、故勾当の日記が編纂、出版せられる迄は、葛原勾当その人に就いても、あまり知られていなかった様である。
私一個人にとっては、ひどくもの珍しい日記ではあっても、世の読書人には、ああ、あれか、と軽く一首肯を以てあしらわれる普遍の書物であるのかも知れない。
そこは、馬鹿の一つ覚えでおくめんも無く押し切って、世の中に我のみ知るという顔で、これから、仔細らしく物語ろうというわけである。
大正四年、葛原の手に依って、故勾当の日記が編纂、出版せられる迄は、葛原勾当その人に就いても、あまり知られていなかった様である。