四十七
何にでも刺戟されやすい癖に、どんな刺戟にも堪え切れないと云った風の、今の兄さんには、草庵めいたこの別荘が最も適していたのかも知れません。
兄さんは物静かな座敷から、谷一つ隔てて向うの崖の高い松を見上げた時、「好いな」と云ってそこへ腰をおろしました。
四十七
何にでも刺戟されやすい癖に、どんな刺戟にも堪え切れないと云った風の、今の兄さんには、草庵めいたこの別荘が最も適していたのかも知れません。
兄さんは物静かな座敷から、谷一つ隔てて向うの崖の高い松を見上げた時、「好いな」と云ってそこへ腰をおろしました。