私は座敷からその様子を眺めていましたが、いつまで経っても兄さんが動かないので、しまいに縁先にある草履をつっかけて、わざわざ傍へ行って見ました。
隣と我々の住居との仕切になっているそこは、高さ一間ぐらいの土堤で、時節柄一面の薄が蔽い被さっているのです。
兄さんは近づいた私を顧みて、下の方にある薄の根を指さしました。
私は座敷からその様子を眺めていましたが、いつまで経っても兄さんが動かないので、しまいに縁先にある草履をつっかけて、わざわざ傍へ行って見ました。
隣と我々の住居との仕切になっているそこは、高さ一間ぐらいの土堤で、時節柄一面の薄が蔽い被さっているのです。
兄さんは近づいた私を顧みて、下の方にある薄の根を指さしました。