自分は話をしながら、自分の敷いている座蒲団の綴糸というのか、くくり紐というのか、あの総のような四隅の糸の一つを無意識に指先でもてあそび、ぐいと引っぱったりなどしていたのでした。
堀木は、堀木の家の品物なら、座蒲団の糸一本でも惜しいらしく、恥じる色も無く、それこそ、眼に角を立てて、自分をとがめるのでした。
考えてみると、堀木は、これまで自分との附合いに於いて何一つ失ってはいなかったのです。
自分は話をしながら、自分の敷いている座蒲団の綴糸というのか、くくり紐というのか、あの総のような四隅の糸の一つを無意識に指先でもてあそび、ぐいと引っぱったりなどしていたのでした。
堀木は、堀木の家の品物なら、座蒲団の糸一本でも惜しいらしく、恥じる色も無く、それこそ、眼に角を立てて、自分をとがめるのでした。
考えてみると、堀木は、これまで自分との附合いに於いて何一つ失ってはいなかったのです。