この手記を書き綴った狂人を、私は、直接には知らない。
けれども、この手記に出て来る京橋のスタンド・バアのマダムともおぼしき人物を、私はちょっと知っているのである。
小柄で、顔色のよくない、眼が細く吊り上っていて、鼻の高い、美人というよりは、美青年といったほうがいいくらいの固い感じのひとであった。
この手記を書き綴った狂人を、私は、直接には知らない。
けれども、この手記に出て来る京橋のスタンド・バアのマダムともおぼしき人物を、私はちょっと知っているのである。
小柄で、顔色のよくない、眼が細く吊り上っていて、鼻の高い、美人というよりは、美青年といったほうがいいくらいの固い感じのひとであった。