女は、やっぱり駄目なものだ、というのが此の中年の芸術家の動かぬ想念であったのであります。
けれども、いま、自身の女房の愚かではあるが、強烈のそれこそ火を吐くほどの恋の主張を、一字一字書き写しているうちに、彼は、これまで全く知らずにいた女の心理を、いや、女の生理、と言い直したほうがいいかも知れぬくらいに、なまぐさく、また可憐な一筋の思いを、一糸纏わぬ素はだかの姿で見てしまったような気がして来たのであります。
知らなかった。
女は、やっぱり駄目なものだ、というのが此の中年の芸術家の動かぬ想念であったのであります。
けれども、いま、自身の女房の愚かではあるが、強烈のそれこそ火を吐くほどの恋の主張を、一字一字書き写しているうちに、彼は、これまで全く知らずにいた女の心理を、いや、女の生理、と言い直したほうがいいかも知れぬくらいに、なまぐさく、また可憐な一筋の思いを、一糸纏わぬ素はだかの姿で見てしまったような気がして来たのであります。
知らなかった。