それから、ほとんど涙声になって、
「バスチーユのね、牢獄を攻撃してね、民衆がね、あちらからもこちらからも立ち上って、それ以来、フランスの、春こうろうの花の宴が永遠に、永遠にだよ、永遠に失われる事になったのだけどね、でも、破壊しなければいけなかったんだ、永遠に新秩序の、新道徳の再建が出来ない事がわかっていながらも、それでも、破壊しなければいけなかったんだ、革命いまだ成らず、と孫文が言って死んだそうだけれども、革命の完成というものは、永遠に出来ない事かも知れない、しかし、それでも革命を起さなければいけないんだ、革命の本質というものはそんな具合いに、かなしくて、美しいものなんだ、そんな事をしたって何になると言ったって、そのかなしさと、美しさと、それから、愛、……」
フランスの国歌は、なおつづき、夫は話しながら泣いてしまって、それから、てれくさそうに、無理にふふんと笑って見せて、