少年も、もう、いまでは鬚の剃り跡の青い大人になって、デカダン小説と人に曲解されている、けれども彼自身は、決してそうではないと信じている悲しい小説を書いて、細々と世を渡って居ります。
昨年まずしい恋人が、できて、時々逢いに行くのに、ふっと昔のお洒落の本能が、よみがえり、けれども今となっては、あの、やさしい嫂にたのむことも、できなくなっているし、思うようにお金使って服装ととのえるなぞ、とても不可能なことなのでした。
普段着いちまい在るきりで、他には、足袋の片一方さえ無い仕末でした。
少年も、もう、いまでは鬚の剃り跡の青い大人になって、デカダン小説と人に曲解されている、けれども彼自身は、決してそうではないと信じている悲しい小説を書いて、細々と世を渡って居ります。
昨年まずしい恋人が、できて、時々逢いに行くのに、ふっと昔のお洒落の本能が、よみがえり、けれども今となっては、あの、やさしい嫂にたのむことも、できなくなっているし、思うようにお金使って服装ととのえるなぞ、とても不可能なことなのでした。
普段着いちまい在るきりで、他には、足袋の片一方さえ無い仕末でした。