太宰治 『列車』 私は電氣時計のあたりで立ちどまつて、列車を眺めた。 列車は雨ですつかり濡れて、黝く光つてゐた。 三輛目の三等客車の窓から、思ひ切り首をさしのべて五、六人の見送りの人たちへおろおろ會釋してゐる蒼黒い顏がひとつ見えた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア