お城へ夢中で逃げて来て、こんな上等の着物を着せられ、こんな柔かい蒲団に寝かされ、前後不覚に眠ってしまって、さて醒めて落ちついて考えてみると、あたしは、こんな身分じゃ無かった、あたしは卑しい魔法使いの娘だったという事が、はっきり判って、それでいたたまらない気持になり、恥ずかしいばかりか、ひどい屈辱さえ感ぜられ、帰ります等と唐突なことを言い出したのではないでしょうか。
ラプンツェルには、やっぱり小さい頃の、勝気な片意地の性質が、まだ少し残っているようであります。
苦労を知らない王子には、そんな事の判ろう筈がありませぬ。