ぽんと本を投げ出して、それから机の引き出しをあけ、チョコレートの箱と、ドロップの缶を取りだし、実にどうにも気障な手つきで、――つまり、人さし指と親指と二本だけ使い、あとの三本の指は、ぴんと上に反らせたままの、あの、くすぐったい手つきでチョコレートをつまみ、口に入れるより早く嚥下し、間髪をいれずドロップを口中に投げ込み、ばりばり噛み砕いて次は又、チョコレート、瞬時にしてドロップ、飢餓の魔物の如くむさぼり食うのである。
朝食の時、胃腑を軽快になさんがため、特にパンと牛乳だけですませて置いた事も、これでは、なんにもならない。
この次女は、もともと、よほどの大食いなのである。