と、堂々と言ってのけたが、眼には涙が光っていました。
美しいままで死なせるのが、本当の深い愛情なのかも知れぬ、けれども、ああ、死なせたくはない、ラプンツェルのいない世界は真暗闇だ、呪われた宿命を背負っている女の子ほど可愛いものは無いのだ、生かして置きたい、生かして、いつまでも自分の傍にいさせたい、どんなに醜い顔になってもかまわぬ、私はラプンツェルを好きなのだ、不思議な花、森の精、嵐気から生れた女体、いつまでも消えずにいてくれ、と哀愁やら愛撫やら、堪えられぬばかりに苦しくて、目前の老婆さえいなかったら、ラプンツェルの痩せた胸にしがみつき声を惜しまずに泣いてみたい気持でした。
老婆は、王子の苦しみの表情を、美しいものでも見るように、うっとり眼を細めて、気持よさそうに眺めていました。