次郎兵衛は仕方なく火事を眺めた。
喧嘩にはならなかったけれどこのことで次郎兵衛はまたまた男をあげてしまった。
火事のあかりにてらされながら陣州屋をたしなめていたときの次郎兵衛のまっかな両頬には十片あまりの牡丹雪が消えもせずにへばりついていてその有様は神様のように恐ろしかったというのは、その後ながいあいだの火消したちの語り草であった。
次郎兵衛は仕方なく火事を眺めた。
喧嘩にはならなかったけれどこのことで次郎兵衛はまたまた男をあげてしまった。
火事のあかりにてらされながら陣州屋をたしなめていたときの次郎兵衛のまっかな両頬には十片あまりの牡丹雪が消えもせずにへばりついていてその有様は神様のように恐ろしかったというのは、その後ながいあいだの火消したちの語り草であった。