太宰治 『ロマネスク』 夜、狆はけたたましく吠えたてた。 ながい遠吠えやら、きゃんきゃんというせわしない悲鳴やら、苦痛に堪えかねたような大げさな唸り声やら、様様の鳴き声をまぜて騒ぎたてた。 一時間くらい鳴きつづけたころ、父の黄村は、傍に寝ている三郎へ声をかけた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア