太宰治 『ロマネスク』 縄のれんをはじいて中へはいると、この早朝に、もうはや二人の先客があった。 驚くべし、仙術太郎と喧嘩次郎兵衛の二人であった。 太郎は卓の東南の隅にいて、そのしもぶくれのもち肌の頬を酔いでうす赤く染め、たらりと下った口鬚をひねりひねり酒を呑んでいた。 太宰治の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア