仲間、――馬場が彼の親類筋にあたる佐竹六郎という東京美術学校の生徒をまず私に紹介して呉れる段取りとなった。
その日、私は馬場との約束どおり、午後の四時頃、上野公園の菊ちゃんの甘酒屋を訪れたのであるが、馬場は紺飛白の単衣に小倉の袴という維新風俗で赤毛氈の縁台に腰かけて私を待っていた。
馬場の足もとに、真赤な麻の葉模様の帯をしめ白い花の簪をつけた菊ちゃんが、お給仕の塗盆を持って丸く蹲って馬場の顔をふり仰いだまま、みじろぎもせずじっとしていた。
仲間、――馬場が彼の親類筋にあたる佐竹六郎という東京美術学校の生徒をまず私に紹介して呉れる段取りとなった。
その日、私は馬場との約束どおり、午後の四時頃、上野公園の菊ちゃんの甘酒屋を訪れたのであるが、馬場は紺飛白の単衣に小倉の袴という維新風俗で赤毛氈の縁台に腰かけて私を待っていた。
馬場の足もとに、真赤な麻の葉模様の帯をしめ白い花の簪をつけた菊ちゃんが、お給仕の塗盆を持って丸く蹲って馬場の顔をふり仰いだまま、みじろぎもせずじっとしていた。