ハイカラな家庭のようである。
大隅君は独り息子であるから、ずいぶん可愛がられて、十年ほど前にお母さんが死んで、それからは厳父は、何事も大隅君の気のままにさせていた様子で、謂わば、おっとりと育てられて来た人であって、大学時代にも、天鵞絨の襟の外套などを着て、その物腰も決して粗野ではなかったが、どうも、学生間の評判は悪かった。
妙に博識ぶって、威張るというのである。
ハイカラな家庭のようである。
大隅君は独り息子であるから、ずいぶん可愛がられて、十年ほど前にお母さんが死んで、それからは厳父は、何事も大隅君の気のままにさせていた様子で、謂わば、おっとりと育てられて来た人であって、大学時代にも、天鵞絨の襟の外套などを着て、その物腰も決して粗野ではなかったが、どうも、学生間の評判は悪かった。
妙に博識ぶって、威張るというのである。