と私はやはり意味のわからぬ事を言い、卑屈に笑って、式台の端に腰をおろし、大あぐらの形になって、撫でたり引っぱったり、さまざまに白足袋をなだめさすり、少しずつ少しずつ足にかぶせて、額ににじみ出る汗をハンケチで拭いてはまたも無言で足袋にとりかかり、周囲が真暗な気持で、いまはもうやけくそになり、いっそ素足で式台に上りこみ、大声上げて笑おうかとさえ思った。
けれども、私の傍には厳然と、いささかも威儀を崩さず小坂氏が控えているのだ。
五分、十分、私は足袋と悪戦苦闘を続けた。
と私はやはり意味のわからぬ事を言い、卑屈に笑って、式台の端に腰をおろし、大あぐらの形になって、撫でたり引っぱったり、さまざまに白足袋をなだめさすり、少しずつ少しずつ足にかぶせて、額ににじみ出る汗をハンケチで拭いてはまたも無言で足袋にとりかかり、周囲が真暗な気持で、いまはもうやけくそになり、いっそ素足で式台に上りこみ、大声上げて笑おうかとさえ思った。
けれども、私の傍には厳然と、いささかも威儀を崩さず小坂氏が控えているのだ。
五分、十分、私は足袋と悪戦苦闘を続けた。