さても此浦は平家の一門果て給ひたる所なれば痛はしく存じ、毎夜此磯邊に出でて御經を讀み奉り候。
磯山に、暫し岩根のまつ程に、暫し岩根のまつ程に、誰が夜舟とは白波に、楫音ばかり鳴門の、浦靜かなる今宵かな、浦靜かなる今宵かな。
きのふ過ぎ、けふと暮れ、明日またかくこそ有るべけれ。
さても此浦は平家の一門果て給ひたる所なれば痛はしく存じ、毎夜此磯邊に出でて御經を讀み奉り候。
磯山に、暫し岩根のまつ程に、暫し岩根のまつ程に、誰が夜舟とは白波に、楫音ばかり鳴門の、浦靜かなる今宵かな、浦靜かなる今宵かな。
きのふ過ぎ、けふと暮れ、明日またかくこそ有るべけれ。