と狸は、たちまち眼をかがやかして、「おれが三つの時、おふくろが鮒を一匹捕つて來ておれに食べさせてくれた事があつたけれども、あれはおいしい。
おれはどうも、不器用といふわけではないが、決してさういふわけではないが、鮒なんて水の中のものを捕へる事が出來ねえので、どうも、あいつはおいしいといふ事だけは知つてゐながら、それ以來三十何年間、いや、はははは、つい兄の口眞似をしちやつた。
兄も鮒は好きでなあ。
と狸は、たちまち眼をかがやかして、「おれが三つの時、おふくろが鮒を一匹捕つて來ておれに食べさせてくれた事があつたけれども、あれはおいしい。
おれはどうも、不器用といふわけではないが、決してさういふわけではないが、鮒なんて水の中のものを捕へる事が出來ねえので、どうも、あいつはおいしいといふ事だけは知つてゐながら、それ以來三十何年間、いや、はははは、つい兄の口眞似をしちやつた。
兄も鮒は好きでなあ。