白い河口湖には波ひとつ無い。
兎はさつそく泥をこねて、所謂岩乘な、いい舟の製作にとりかかり、狸は、すまねえ、すまねえ、と言ひながらあちこち飛び廻つて專ら自分のお辨當の内容調合に腐心し、夕風が微かに吹き起つて湖面一ぱいに小さい波が立つて來た頃、粘土の小さい舟が、つやつやと鋼鐵色に輝いて進水した。
「ふむ、惡くない。
白い河口湖には波ひとつ無い。
兎はさつそく泥をこねて、所謂岩乘な、いい舟の製作にとりかかり、狸は、すまねえ、すまねえ、と言ひながらあちこち飛び廻つて專ら自分のお辨當の内容調合に腐心し、夕風が微かに吹き起つて湖面一ぱいに小さい波が立つて來た頃、粘土の小さい舟が、つやつやと鋼鐵色に輝いて進水した。
「ふむ、惡くない。