どんな極惡人でも、自分がこれから殘虐の犯罪を行はうといふその直前に於いて、山水の美にうつとり見とれるほどの餘裕なんて無いやうに思はれるが、しかし、この十六歳の美しい處女は、眼を細めて島の夕景を觀賞してゐる。
まことに無邪氣と惡魔とは紙一重である。
苦勞を知らぬわがままな處女の、へどが出るやうな氣障つたらしい姿態に對して、ああ青春は純眞だ、なんて言つて垂涎してゐる男たちは、氣をつけるがよい。
どんな極惡人でも、自分がこれから殘虐の犯罪を行はうといふその直前に於いて、山水の美にうつとり見とれるほどの餘裕なんて無いやうに思はれるが、しかし、この十六歳の美しい處女は、眼を細めて島の夕景を觀賞してゐる。
まことに無邪氣と惡魔とは紙一重である。
苦勞を知らぬわがままな處女の、へどが出るやうな氣障つたらしい姿態に對して、ああ青春は純眞だ、なんて言つて垂涎してゐる男たちは、氣をつけるがよい。